第1話 ”かじり”について考える

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はじめまして、ぼくネジゴンだよ。全身がねじでできた怪獣なんだ。
今日から、ねじに関する基礎講座「ねじのおはなし」を始めるよ。ぼくのおはなしで、少しでもみんなのお役にたてたらうれしいな。

さっそくだけど、今日はかじりについて、おはなししようと思うんだ。
ねじがかじってはずせなくなり、大変な思いをした方は多いんじゃないかな?かじったねじを無理やりはずそうとすると、ねじの折損、六角穴などリセスの破損、工具の破損などが発生して、大変な労力と時間がかかるんだよね・・・。

今日はそんな被害者が1人でも少なくなるように、かじりについて解説するよ。

そもそも”かじり”って何?

何らかの原因でねじが回せなくなってしまう現象のことをかじりと言うんだ。焼きつきという場合もあるよ。

なぜ、ねじは”かじる”のか?

ねじがかじる原因は大きく分けて、
1) ねじ山の摩擦熱
2) 異物などの外的要因
の2種類があるんだ。

ねじ山の摩擦熱

ねじを締めつける際の摩擦熱でねじが膨張し、ねじ山が溶着することで、かじりが発生してしまうんだ。
ステンレス鋼製のねじが鉄鋼製のねじよりも、かじりやすいのは、このためだね。
なぜならば、ステンレスは
・摩擦係数が大きく(鉄鋼の2倍)、熱が発生しやすい
・熱伝導率が小さく(鉄鋼の1/3)、熱が逃げにくい
・熱膨張係数が大きく(鉄鋼の2倍)、おねじとめねじが密着しやすい
ため、ねじ山が溶着しやすいんだ。
また、高温環境下の場合は、さらにかじりやすくなるため、鉄鋼製のねじでも注意が必要だよ。

異物などの外的要因

一方、こちらは鉄鋼製のねじでもかじりが発生し得る原因で、
・切粉などが付着した状態で締めつける
・締めつけトルクが大きすぎてねじ山の一部が破断している
・ねじ山の表面粗さが粗い、または打痕がある
などが挙げられるよ。

どうすれば“かじり”を防ぐことができるの?

まず、外的要因に対しては、締めつけ前にねじ山の状態を確認して、適切なトルクで締めつけることで防ぐことができるよ。

じゃあ、ねじ山の摩擦熱によるかじりを防ぐにはどうすればいいのかな?材料の熱伝導率や熱膨張係数を変えることは難しそうだけど、摩擦係数を下げることはできそうだよね。
例えば、
・ 潤滑剤の塗布
・ 表面処理を施す
などの対策があるね。

ただ、摩擦係数が下げると、ねじが締まりやすくなっちゃうから、同じトルクで締めつけて、ねじ山が破損し、外的要因でかじったら元も子もないよね。
このように、摩擦係数を変化させる対策をとった場合は、締めつけトルクの見直しも行うように注意してね。
表面処理による軸力の変化をまとめたから、ぜひ参考にしてほしいんだ。
>>表面処理の違いによる軸力の比較

「潤滑剤が使用できない」「メッキの剥がれが気になる」クリーンな環境の場合でも、表面を硬化させることで、かじりを防ぐねじSNSL-PNがあるから、かじりの対策に検討してみてね。

本日は、これにてご無礼するよ。

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