主な表面処理の原理と特徴

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方法 原理と特徴 材料 性状
電気めっき 素材を陰極としてめっき浴に浸せきし、直流電流によって素材表面に金属膜を電解析出させる。 素材は金属、プラスチック(表面を無電解めっきで電導化して電気めっきする)。 装飾用は1μm以下、防食用、工業用は1 - 数十μm以上、多くの場合、ピンホールが残されている。
溶融めっき 素材を溶融金属中に浸せきしてから引き上げ、溶解金属を凝固、被覆させる。 素材は主として鉄鋼材料、被覆金属としてはAl、Zn、Sn、Pbなど。 厚い被覆が可能。密着性、変形加工性は被覆層と素材の間に形成される合金層の性状による。
拡散めっき 素材表面層に金属元素を拡散浸透させる。処理温度(1000℃前後)が高いので、後熱処理を要す。 素材は主として鉄鋼材料、Fe基、Ni基耐熱合金など。被覆金属はAl、Cr、Siなど。 合金層厚さは数十- 数百μm。
蒸着めっき 物理蒸着法:真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどによる被覆。化学蒸着法:ガス化合物の分解による被覆。 素材は金属、セラミック、プラスチック、被覆材料は金属、セラミック。 物理蒸着法は一般に蒸着速度が低い。化学蒸着法では高温処理をまぬがれない。
溶射 溶融状態に加熱した溶射材料の粉末または粒子を素材表面に吹き付け、皮膜とする。溶射中の素材温度は200℃程度以下。 素材は金属、セラミック、プラスチック、その他、溶射材料は金属、セラミック、プラスチックあるいはそれらの混合材。 密着強さが比較的に低い。皮膜に気孔がある。
実用の被覆厚さは0.6mm程度以下。 
合せ板 圧延圧接法、爆発溶接法などによる。処理対象は板面、シリンダ内面など簡単形状のもの。 素材は金属、ほとんど鉄鋼材料。合せ板材は金属、合金。  爆発溶接では合せ板材の厚さは3mm程度以下。
陽極酸化 硫酸やしゅう酸などの電解液中で素材を陽極として電解し、素材表面に酸化膜を形成する。 素材はAlおよびその合金が主。他にMgなど。 酸化膜はち密層と多孔質層からなる。通常封孔処理を行う。密着性良好。着色可能。
化成処理 素材表面に浸せき法またはスプレー法などにより、りん酸塩またはクロム酸塩皮膜を形成させる。 素材は鉄鋼材料、Al、Znなど。 主として、鉄鋼材料にはりん酸塩系被膜、Alにはクロム酸塩被膜が適用される。
浸炭 素材表面層に炭素を拡散浸透させる。処理温度は850 - 950℃。処理後焼入れを行う。 素材はC含有量0.2%以下の鋼(はだ焼鋼) 浸炭深さは0.5 - 5mm、硬さは700 - 850HV。処理および処理後の焼入れによる素材変形に注意。
窒化 素材表面層に窒素を拡散浸透させる。処理温度は475 - 580℃。処理前に熱処理と機械加工が行える。 素材はガス窒化では窒化鋼(Cr、Mo、Alなどを含有)。イオン窒化ではほとんどの鋼種。  窒化深さは0.9mm以下。
硬さは600 - 1150HV。素材の変形が小さい。
浸炭窒化 浸炭と同時に窒化を行う。処理温度は700 - 900℃。処理後焼入れを行う。 素材は浸炭の場合と同じ。炭素鋼にも適用できる。 浸炭窒化深さは1mm以下。硬さは800HV程度。
浸硫 素材表面層に硫黄を拡散浸透させる。処理温度は400 - 600℃。 素材は鋼材、鋼種を問わない。 硫化鉄皮膜の厚さ0.2μmから摩擦係数が低下。
浸硫窒化 浸硫と同時に窒化を行う。処理温度は560 - 570℃。 素材は窒化の場合と同じ。 浸硫窒化深さは0.1 - 0.5mm。
高周波焼入れ 素材表面を高周波誘導電流によって急熱-急冷して焼入れる。 素材は鉄鋼材料。とくに中炭素鋼、合金鋼、鋳鍛造品など。 硬化層の厚さは0.4 - 5mm。作業時間が短い。
素材の変形が小さい。
炎焼入れ 素材表面を酸素-燃料炎によって急熱-急冷して焼入れる。 同上 硬化層の厚さは1 - 数mm。
その他の
表面焼入れ
レーザビーム、電子ビームなどで素材表面を急熱-急冷して焼入れる。 素材は焼入れ性があれば、とくに制限がない。 硬化層が極く薄い。局部硬化が可能。
プラスチック
ライニング
シートライニング法、溶射法、塗布法などによって素材表面を被覆する。 被覆材料はポリエチレン、塩化ビニル、ふっ素樹脂、ゴムなど。 厚い被覆が可能。1mm以上のこともある。
セラミック
コーティング
蒸着法、溶射法、焼付け法などによって素材表面を被覆する。 被覆材料としてはガラス質セラミック(ほうろう)。
各種セラミック。
密着性があまり良くない。加熱冷却の繰返しで、皮膜にき裂を生ずることがある。
出典 日本機械学会 機械工学便覧 加工学・加工機器

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